紙の書類をデータ化して業務効率アップ!メリットやスキャン方法も

目次

紙の書類をデジタル化することは、中小企業にとっても大きなメリットをもたらします。このセクションでは、実際にどのように書類をデジタル化するか、手軽に始める方法について具体的に説明します。

紙の書類をデータ化する方法1.自社で行う

自社でのデータ化は、適切な設備と少しの技術知識があれば始めることができます。以下に具体的な方法とステップを示します。

1.複合機でスキャンする

多くのオフィスにはすでに複合機が設置されており、この複合機を活用して書類をスキャンすることが可能です。スキャンの基本操作は複合機のモデルによって異なりますが、大抵の場合、書類をフィーダーにセットし、画面の指示に従ってスキャンを選択するだけです。スキャンしたデータは直接パソコンに送信したり、ネットワーク上の指定されたフォルダに保存することができます。

2.アプリでスキャンする

スマートフォンやタブレットを使って書類をスキャンするアプリケーションは非常に便利です。例えば、「CamScanner」や「Adobe Scan」などのアプリを使用すると、デバイスのカメラを使って書類を高品質なPDF形式でデジタル化できます。これらのアプリは通常、クラウドへのアップロード機能を備えており、スキャンした書類をオンラインで簡単に共有・管理できます。

3.コンビニでスキャンする

小規模で書類の量が少ない場合、近くのコンビニエンスストアを利用するのも一つの選択肢です。多くのコンビニには公共のスキャナーが設置されており、USBドライブに直接データを保存できます。この方法は、特に急ぎで少量の書類をスキャンする必要があるときに便利です。

4.自社の費用負担について

自社でのデータ化を計画する際には、設備投資の初期費用、運用コスト、および潜在的な節約効果を詳細に検討することが重要です。例えば、複合機の購入やリース費用、メンテナンス費用、消耗品のコストなどが含まれます。また、デジタルデータの保管に必要なクラウドストレージの費用も考慮に入れる必要があります。

紙の書類をデータ化する方法2.業者に依頼する

書類の量が多い場合や特別な技術が必要な場合は、専門の業者に依頼するのが最適です。業者によるデータ化サービスは、時間と労力を大幅に節約できるだけでなく、高度なセキュリティとデータ管理を提供します。

1.短時間でデータ化できて手間がかからない

専門業者は最新の設備と技術を用いて高速で書類をスキャンし、大量のデータ化を短時間で行うことが可能です。これにより、企業は他の重要な業務にリソースを集中させることができます。

2.正確にデータ化できる

高品質のスキャン技術と専門知識を持つ業者は、書類を正確にデジタル化し、読み取りエラーを最小限に抑えることができます。また、文字認識技術(OCR)を用いることで、テキストデータとしても利用可能な形で書類をデータ化することが可能です。また、以下に示すような法令に準拠した形式での保存を確実に行うことが可能です。

3.コストを抑えることができる

大規模なプロジェクトでは、専門業者による一括処理の方がコストパフォーマンスが高くなります。また、定期的な契約や大量注文による割引が適用される場合が多いため、長期的に見ればさらにコスト削減が期待できます。

4.データ化のアフターフォローも

多くのデータ化業者は、スキャン後のデータ整理やクラウドへのアップロード、データ管理システムの設定支援など、幅広いアフターサービスを提供しています。これにより、データ化した情報の活用がよりスムーズになります。

5.専門業者に依頼するときの相場

データ化サービスの相場は、提供されるサービスの内容やプロジェクトの規模によって異なりますが、一般的にはスキャン1枚あたり数十円~となっています。具体的なコストを把握するためには、複数の業者に見積もりを依頼し、提供されるサービスと料金を比較検討することが重要です。

紙の書類をデータ化するメリット

書類のデジタル化は、企業運営の様々な側面で利益をもたらします。ここでは、その主なメリットを詳しく見ていきます。

1.スペースやコスト削減

物理的な書類の保管には大量のスペースが必要ですが、データ化することでそのスペースを解放し、他の有益な用途に利用することができます。また、紙やプリンターインク、ファイルキャビネットなどの購入コストも削減できます。

2.検索が簡単になり業務効率がアップ

デジタルファイルは、キーワード検索を利用して瞬時に必要な情報を見つけることができます。これにより、書類を探すために費やす時間が大幅に削減され、業務の効率化が図れます。

3.劣化や紛失の防止

紙の書類は時間とともに劣化したり、紛失のリスクがありますが、デジタル化することでそのリスクを大幅に低減できます。デジタルデータは適切にバックアップすることで、情報の永続性が保証されます。

4.セキュリティ対策

デジタルデータは、適切なセキュリティ対策を施すことで、不正アクセスや情報漏洩から保護することが可能です。これには、パスワード保護、暗号化、アクセス権限の管理などが含まれます。

5.テレワーク推進

デジタル化された書類は、インターネット経由でどこからでもアクセス可能です。これにより、リモートワークや在宅勤務がしやすくなり、柔軟な働き方が促進されます。

紙の書類をデータ化するデメリット

データ化にもいくつかのデメリットが存在します。ここでは、注意すべき点をいくつか例示します。

1.セキュリティ対策

セキュリティ対策が不十分な場合、情報漏洩のリスクがあります。データ保護のために、適切なセキュリティプロトコルと技術を導入する必要があります。

2.データ管理や整理が必要

デジタルデータの量が増えると、適切なデータ管理と整理が不可欠となります。これには、ファイル命名規則の設定や、整理整頓されたフォルダ構造の維持が含まれます。

3.コストがかかる

データ化の初期段階では、スキャン設備の購入やシステムの導入、データ管理ソフトウェアの購入など、一定の初期投資が必要になることがあります。また、継続的なメンテナンスや更新にもコストがかかることがあります。

紙書類をデータ化する時の注意点

データ化プロジェクトを成功させるためには、以下の注意点を考慮することが重要です。

1.データ化のマニュアル作成

効果的なデータ化のためには、プロセスを標準化するマニュアルの作成が必要です。これには、どの書類をスキャンするか、どのようにスキャンするか、スキャンしたデータをどのように管理するかが含まれます。マニュアルは従業員が一貫してデータ化を行うためのガイドラインとして機能します。

2.データ化の形式について知っておくべきルール

日本では、デジタル化された文書の法的扱いを定める重要な法律として、「電子帳簿保存法」「電子記録保存法(e-文書法)」があります。これらの法律は、ビジネスのデジタルトランスフォーメーションを支え、企業が紙の文書ではなくデジタル形式で記録を保持することを可能にします。

電子帳簿保存法

この法律は、企業が会計に関連する書類(契約書、領収書、請求書など)をデジタル形式で保存するためのルールを設定しています。具体的には、原則としてデジタルデータの作成や変更の履歴を確認できるシステムを用いること、データの読み取りが可能な状態を保持することなどが求められます。この法律に従うことで、紙の書類を保管する代わりに、電子ファイルとしての保存が法的に認められます。

電子記録保存法(e-文書法)

e-文書法は、会計以外のビジネス文書も含めて、企業が電子文書を法的に有効な形で保存できるようにするための法律です。この法律は、電子文書が紙の文書と同等に取り扱われるための基準を提供し、文書の信頼性や完全性を保証するための要件を定めています。例えば、文書の作成者の情報が明確であり、内容が改ざんされていないことを証明できる必要があります。

これらの法律を遵守することは、企業がデジタル化を進める上で非常に重要です。法的要件を満たしながら効率的にデータ管理を行うことで、ビジネスの透明性を高め、将来的な法的問題を避けることができます。データ化を計画する際は、これらの法律の規定に従って適切なデータ管理システムを構築することが推奨されます。

書類電子化の手順

書類を効果的にデジタル化するための基本的な手順を以下に示します。

1.電子化が必要な書類を絞る

すべての書類を一度にデジタル化するのではなく、最も頻繁に使用される書類や重要な書類から順にデジタル化することが効率的です。これにより、プロジェクトの優先順位を明確にし、進行をスムーズに管理できます。

2.データの保管方法を決める

デジタルデータの保管方法には、社内サーバー、外部ハードドライブ、クラウドストレージなど、さまざまな選択肢があります。データの重要性、アクセス頻度、セキュリティ要件に基づいて最適な保管方法を選びます。

3.書類のサイズを確認する

スキャンする前に、書類のサイズを確認し、スキャナーの設定を適切に調整することが重要です。これにより、書類の読み取り精度を高め、データ化の質を向上させることができます。

4.スキャンを実施する

上記の準備が整ったら、スキャンを実施します。スキャンの際は、解像度やカラー設定など、最適なスキャン設定を選択してください。高解像度でスキャンすることで、テキストや画像の明瞭さが保たれ、後のテキスト認識作業も効果的に行えます。

まとめ 紙の書類をデータ化して業務効率アップ

紙の書類をデータ化することは、中小企業にとって多くのメリットをもたらします。データ化により、情報のアクセス性が向上し、スペースの節約、コスト削減、業務効率の向上が実現します。また、テレワークの推進やセキュリティ強化にも寄与します。この記事で紹介した方法と手順を参考に、自社のニーズに合わせたデータ化プロジェクトを計画し、実行に移してください。

株式会社いなほは、紙書類のデータ化のような「大事だとわかっているけどつい後回しになっている」社内課題を効率的に推進いたします。貴社の状況をしっかりヒアリングさせていただき、現場の方々の負担を最小限に抑えた方法を提案いたします。

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